研究室紹介

ごあいさつ

中山研究室のホームページをご覧頂き、ありがとうございます。

研究室では現在、主にコンピュータビジョン(CV)と自然言語処理(NLP)の2つの分野で活動をしています。コンピュータが、画像・映像・テキストなどから構成されるさまざまなマルチモーダルデータの認識理解や生成を行うための技術について、基礎的な理論からや応用アプリケーションに至るまで幅広いトピックで研究をしています。

近年は深層学習を始めとする機械学習技術の発展により、CVやNLPの個別技術は飛躍的な発展を遂げていますが、その多くは各タスクに特化した膨大な教師付きデータと計算資源に基づく力技のアプローチで実現されています。より汎用的な知能システムを目指すためには、どのようにデータや知識を獲得すればよいのか、そもそもコンピュータに何を教えればよいのか、という部分が非常に重要になりますが、未だに確立した方法論は存在しません。この問に応えるためには、我々人間が日々の生活の中で五感を活用しながら知識を得ていくように、マルチモーダルなインタラクションの中で常識的知識を学習させる枠組みが鍵になると考えています。これが、我々がCVとNLPの双方に注力しながら、分野横断的な研究をしている理由です。また、ロボットやセンサーネットワーク等の発達により、今後は実世界に開かれたコンピュータシステムが自動的に収集するセンサー情報も溢れていくでしょう。 これらの多様な情報を柔軟に認識・理解し、有効に活用していくことは次世代の知能情報処理ステムの鍵になると考えています。

この分野はまだまだ発展途上であり、未解決の課題が山積みになっています。 しかしそれだけに研究対象として非常に魅力的であり、また多くのビジネスチャンスが眠っていると感じます。 世界中で熾烈な開発競争が続いている分野ですが、我こそはと思う学生さんの参加を心待ちにしています。 また、共同研究等も積極的に行っていきたいと考えておりますのでお気軽にお問合せ頂けると幸いです。

研究室のポリシー

創造情報学専攻では、優れた創造的アイデアを産み出すと共に、これを実践的なプロダクトへと昇華できる人材の育成を目指しています。 当研究室でも、以下のようなキーワードを重視していきたいと考えています。

世の中にないものを"創る"

当研究室・専攻を修了する学生の多くは、ソフトウェアに深く関わる分野で活躍していくことになると思います。この分野は研究開発のスピードが早く、高度な技術も非常に短時間で普及するようになっています。最先端の国際会議で発表された内容が半年と待たずにオープンソースに実装されることも珍しくありません。

このような背景から、ソフトウェアエンジニアは新しい技術やフレームワークを"創る側"と、それを"使う側"への二分化が進んでいるように思います。誤解のないように言いますが、これはどちらが上とか下といった性質のものではありません。次々に登場する新しい道具にキャッチアップし、使いこなしていくことは研究者やエンジニアとして生きていく上で必要不可欠な能力で、これも継続的に磨いていかなければなりません。しかし、出来上がった技術の使い方を学ぶだけであれば、わざわざ大学で時間を費やす意味は薄いと考えます。 当研究室で学ぶ学生には常に"創る側"として、まだどこにも存在しない価値を見つけ出し世に問う意識を持って欲しいと思います。

新しいものを産み出すことは容易ではなく、長い時間がかかり、苦労も伴ないます。しかし、例えどんなに小さい一歩であったとしても、まだ世界で誰もできなかったことが出来たり、あるいは世界で誰も知らなかった知見を得たりした時の喜びは何にも代えがたいものです。皆さんにもぜひその魅力をじっくりと満喫して欲しいと思います。

創ったものは"実践する"

新しい技術・知識は多くの人に伝わる形にしてこそ真の価値を発揮します。もちろん、大学の活動では研究発表、論文投稿がその第一歩となるわけですが、その他にもいろんな形があります。例えば、なんらかのソースコードやサービスの公開、場合によっては起業などもありえるでしょう。未踏ソフトウェア事業などに挑戦してみるのもよいと思います。このような活動は研究室としても大いに奨励したいと思います。ただし重要なのは、前述のようにあくまで"創る側"として、オリジナルな新しい技術をコアにしていくことです。実践的な活動を重視するあまり、既存の道具の寄せ集めになってしまうようでは意味がありません。世の中を驚かせるような、斬新なプロダクトの開発を期待します。

やったことは"魅せる"

最近は益々先が読めない世の中になっており、大企業でも安泰ではなくなってきています。組織の一員として一生守ってもらう時代は終わり、これからは個人の力を積極的に磨き、広く世の中にアピールして生き抜いていくことが必要です。例えば、既にgithubやslideshare、ブログ等の内容が個人のスキルの判断材料とされることは一般的になりつつあります。上述の実践重視の項とも関係しますが、自分の仕事や能力・知識は積極的にオープン化し、自分なりの魅せ方を身につけて欲しいと思います。大学での研究活動は、そのようなスキルを学ぶ場としても貴重なチャンスです。研究室や大学のメンバーとしてではなく、個人として一目置かれるような存在になって欲しいと思います。

当研究室を志望する学生の方へ

 ※現在、当研究室では研究生は募集していません。

本気で研究開発がやりたい人・自由を楽しめる人が向いています

大学院を修了した人間に求められる能力は、自分の分野の専門家としてアイデアを形にし、それを外部へ向けて発信できることだと考えます。 自己満足の成果では修士号には値しませんし、そもそも大学院に来てまでやる必要もないはずです。 研究室では、修士修了までに査読付の国際会議や論文誌で発表することを奨励しています。 あるいは、学術研究よりも実践的な開発が好きな人は、オープンソースの発表等でもよいかもしれません。 積極的な学生はいくらでもチャンスを得て伸びていけるように、私はもちろん研究室全体でサポートしたいと思います。

また、研究テーマの設定や進め方に関しては学生の自主性を最大限に尊重しており、やる気さえあれば研究室で行われていないテーマであっても(ある程度の関連性は必要ですが)自由に取り組むことができます。例えば、中山研は昔は画像認識の研究しかやっていなかったのですが、自然言語処理に強い意欲を持った学生が加わり、熱心に研究活動を行い後輩の学生も率いてくれた結果、現在では自然言語処理の大きなグループができ、研究室全体としてやれることの幅も飛躍的に広がりました。このように学生の主体的な活動によってさまざまな化学反応が起き、研究室の視野が広がることは教員にとっても最大の喜びです。このような歴史の中で、研究室ではお互いの発想を尊重し、みんなで建設的に学び合い高め合う風土が整っており、自律的に自由な思考や活動ができる人にとっては快適な場となっているのではないかと思います。

逆に、なんとなく人工知能や機械学習という流行りのキーワードで選んだだけの人、ほどほどの修士論文だけ書いて就職すればいいやと考えている人には辛い環境かもしれません。最近は研究室の人数もかなり多くなっており、指示待ちの人を懇切丁寧に面倒見ている余裕はなくなっています。

深層学習の研究がやりたい人へ

深層学習は人工知能に関わるあらゆる分野で一般的に使われるようになっており、さまざまなフレームワークも普及しているため、研究における道具の一つとして使う分には以前ほど難しくはなくなっています。しかしながら、深層学習の原理そのものに関わる研究をする場合は注意が必要であり、他の人の2,3倍研究に時間を割く覚悟がない限り手を出さない方が無難です。理由は主に、(1)深層学習自体が非常に計算に時間がかかるものであることに加え、泥臭い調整作業が多い技術であるためどうしても研究の本質的な部分以外での手間が多くかかること、(2)一か月、一週間という単位で技術革新が起こっている極めて競争が激しい分野であり、生半可なスピードでは研究として意味のある成果は出せないこと、の2点です。これらを理解した上で挑戦したいという方は大いに歓迎します。

あると望ましいスキル

主にソフトウェアを扱う研究室ですので、ある程度のプログラミング技術は必要です(C++、Python、Matlabなど)。また、当研究室ではコアな技術として数学的な理論を背景とした手法の開発および実装を行いますので、数学(線形代数、確率統計など)の力もかなり重要です。これらについては既にある程度の基本的な知識を持っていることを前提とします。もちろん、必ずしも配属当初から高いスキルを持っている必要はありませんが、手取り足取りのケアはできませんので楽しんで自学自習していくことが大事です。

博士課程から入学したい方へ

博士課程から研究室に加わる方には、自律的に研究を企画・実施し対外発表まで行う一通りの経験とスキルをすでに持っていることを期待しています。このため、我々の研究分野において中堅レベル以上の国際会議やジャーナルに最低一本論文が採択されていることを出願の条件としています。具体的には、例えばここで挙げられている国際会議などが該当します。
無論、修士課程から引き続いて博士課程に進学する場合も、同等の水準が期待されるのは言うまでもありません。

研究室見学について

創造情報学専攻では、指導を希望する教員と事前に面談を行い、研究内容等について相談することを推奨しています(必須ではありません)。研究室見学は随時受け付けていますので、興味ある方はお気軽にメール頂ければ幸いです。ただし、毎年入試出願期間の直前は見学希望が多く空き時間が少なくなりますので、早めのご連絡をお勧めします。

入試情報

情報理工学系研究科の創造情報学専攻のページをご覧ください。なお、創造情報学専攻では修士の冬入試も実施しております。